教えてワンコ先生!vol.2

お腹の健康を保ちたい

「お腹が痛い」と言わない犬にとって、
うんちの状態と食欲はお腹の健康を知るための大切なバロメーター。
今回、お腹の健康を保つ大切さについて増田先生に伺いました。

増田宏司先生
増田宏司先生
獣医学博士・獣医師
東京農業大学農学部バイオセラピー学科准教授。日本ドッグオーナーズアカデミー学術顧問。また日本では数少ない動物行動学の専門家として知られている。著書には『犬の幸せ♡私の幸せ―ワンコ先生が教える動物行動学』(恒文社)などがある。

腸内環境が悪化するとどうなるの?

犬は病気が原因となって腸内環境が悪化することも、逆に腸内環境の悪化が原因で病気になってしまうこともあります。特に下痢や軟便などのお腹がゆるい状態や逆に便秘やうんちが黒っぽくてカチカチな状態、またうんちの匂いがキツくなってきたなどの、お腹に関係する諸症状は、腸内環境が悪化しているサインです。腸内環境の悪化は、ストレスや加齢、栄養バランスの偏りなどで起こってしまいます。腸は「第二の脳」と言われるように、消化吸収にとどまらず、健康にとってたくさんの重要な役割を果たしています。その主人公ともいえる善玉菌は、病原菌の感染防御や免疫力の向上、消化吸収や腸管の運動促進など、お腹にとって良い働きをします。しかし逆に悪玉菌が優勢になると、消化吸収の不具合はもちろんのこと、腸内で有害物質が増え、肝機能を低下させたり、免疫力を低下させたり、アレルギーが発症したりと、腸以外にもさまざまな障害を引き起こしかねません。 また、愛犬がフードをなかなか食べてくれない!とお悩みの飼い主さん、毎日の食事は愛犬の健康をはかるバロメーター。愛犬がフードを食べなくなると、とても心配ですよね?犬がフードを食べなくなる原因は、病気やケガなどの身体的なものをはじめ、精神的なもの、さらには年齢的なものなど、様々ですが、それらには腸内環境の悪化を伴うものが少なくないのです。腸内の善玉菌と悪玉菌の理想的なバランスを保ってあげることで、愛犬のお腹の健康に役立ててあげることは、病気の予防や症状の改善に有効に働くはずです。プロバイオティクス・スプレーは、フードに吹きかけるだけのお手軽な方法で実行できますので、一度試してみてはいかがでしょうか。

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